ヤマオ的

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商社流 接待の極意

元商社マンで現在IT業界に身を置くヤマオです。

今回は僕が商社時代に経験した接待について、お話します。

真の接待とは?

『接待って何をすればいいんですか?』と私が新人の頃先輩商社マンたちに聞いた際、ある上司がこう答えました。
 
『ヤマオ君、接待という字は接して待つと書きますね。
 
接するのはお客様と。
待つのはお金の支払いを待つということです。
なので、普段の営業活動の中でも接待は可能です。
 
積極的にコミュニケーションを取り、お客様からニーズを聞き出してそれに応える。そしてお金をお支払いいただく。
 
これはビジネスの基本ですね。そう、接待はビジネスの基本なのです。
 
では我々商社マンの「真の接待」は、普段の営業活動の中では聞き出すのが難しい真のニーズつまり本音を聞き出すために、場所を飲食店やゴルフ場など非日常な場所に変え、時にはクラブのママやキャバ嬢、キャディーの力も借りて行う営業活動を指します。
 
真の接待を行った結果、お客様の真のニーズを聞き出すために一晩で使った100万円が、1年後に1000億円のビジネスになる経験をした先輩商社マンも沢山います。
 
本音を聞き出すために行うのが接待。
 
これを忘れてはいけませんよ。』
 
私はこの言葉を聞いた時点ではすぐにその真意を理解できませんでしたが、上司や先輩が取引先を接待するのに同行しているうちに、その真意を目の当たりにするようになりました。
 
今回は私の200回を越える接待経験の中からこの接待はスゴかったというものをピックアップして、ご紹介したいと思います。
 

スゴい接待 その1:屋形船

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取引先には、接待を受けるのが好きな人と、コンプライアンス意識が高く、接待NGの人がいます。
 
接待NGの人の場合、飲みに誘ってもお断りされるケースが多く、なかなか仕事以外の場面で打ち解け、本音を聞き出すことが難しくなります。
 
ただし、部署の全員が接待NGというケースはほとんどなく、「商社のお金で楽しい思いができるなら、接待受けるのもいいじゃん」と考えている方が大多数です。
 
ですので、接待NGのお固い方から本音を聞きたい場合、1対1での接待は諦め、部署対部署の大きい飲み会を開くのが効果的です。
 
取引先の一番偉い方の好きな食べ物と嫌いな食べ物を聞いたうえで、飲食店にて接待するのが一般的ですが、私の上司のベテラン商社マンは「屋形船接待」を得意としていました。
 
夏になると「頑張っている皆さんを労いたい。合同暑気払い会をやりましょう。」と取引先に提案し、15人〜20人程度乗れる屋形船を予約します。
 
夏の仕事終わりに、船に乗り、夜景を見ながら船上で食事をして、盃を交わし、船のデッキに出て会話をすれば、お固い取引先とも打ち解けられるようになります。
 
東京ですと、晴海エリアから乗船し、お台場やスカイツリーを周遊するコースが夜景がとてもキレイで取引先に毎回喜ばれていました。
 
船を下りた後、キーマン数名だけを銀座のクラブに連れていき、最後はタクシー券を渡してお見送りというフォローもよく行われていました。

 

スゴい接待 その2:2次会

私が数々の先輩たちに習ったのは、「接待は2次会でいかに楽しませられるかが勝負」ということです。

 

18時とか18時30分とか少し早めの時間に取引先を呼び出し、美味しい飲食店で食事をし、その後2次会で楽しい思いをしてもらうというのが王道コースになります。(その後3次会でラーメンという場合もしばしば。)

 

2次会で最も多いのが、キャバクラ、ガールズバー、スナックなど、女性が横についてくれてお酒をついでくれたり、歌を歌うパターンですが、このパターンでは横についた女性と話すことに夢中になり、取引先との距離がいまいち縮まらない場合もしばしば。

 

女性のいる店が大好きという取引先であればこれでいいのですが、もっと仲良くなれるのはアクティビティ系の2次会です。

 

具体的には一緒にショーを見るショーパブ系と一緒にスポーツをするスポーツ系があります。

 

ショーパブ系ですと、モノマネ、ポールダンス、オカマ、ジャズ・バーなど、笑いや感動に溢れるお店が六本木、麻布十番、銀座、新宿エリアに沢山あります。

 

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またスポーツ系ですと、サルサダンスバー、卓球バー、ダーツバー、ボウリング、シミュレーションゴルフなどがあります。

 

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このようなアクティビティ系2次会を想定をして、1次会の飲食店のエリアを決めるのが王道です。

 

接待の2次会で使う店を調べるために、事前に友達と下見をしたりするのも楽しい思い出となります。

 

スゴい接待 その3:ゴルフ

接待は平日夜の仕事終わりが基本になりますが、日本のサラリーマンに欠かせないのは週末のゴルフ接待です。

 

大自然の中で家庭と仕事のストレスから離れ、

「ナイスショット!」

と言われれば、気を悪くする人はいません。

 

ゴルフ接待については、コースを回るのはもちろん、場所と景品が重要になります。

 

私の場合、熱海でゴルフをやり、そのまま温泉に入って宴会。

バンコクで若い女性キャディを指名して一緒にラウンドを周る。

といった楽しいシチュエーションも経験しました。

 

また、本当に取りたい案件の前に取引先と接待ゴルフをするときには、景品に海外旅行は国内高級リゾート宿泊券をつけたこともありました。

 

はじめは20代中頃の若造商社マンがこんな経験をしていいのかと思いつつも、段々それが当たり前になっていったというのが正直なところです。

 

取引先の本音、真のニーズを聞き出しそれをもとにビッグビジネスを手に入れる商社マンたちの接待術は、おもてなしの心にあふれていて、日本の総合商社が強い理由がここにあります。

 

私が経験した数々の接待は商社マンを卒業した今でも一生の思い出に残るものとなっています。

 

ヤマオ